佐藤正信とほうねん座「心を紡ぐ 東北の民謡」 [民謡]

当社では、8月より9月にかけて3枚のCDを立て続けにリリースさせていただきました! 音楽センター渾身のおすすめ作品ばかりですので、ぜひよろしくお願いします。もちろんこちらのブログでも順に紹介させていただきますね。

--

今回紹介するのは「民謡」のCDになります。古くから継承されてきた音楽ですが、レコーディングしたばかりのとても新鮮な音源です。そして、このCDは「東北地方のとある場所」で録音制作されたものであることも今回お伝えしたいと思います。

佐藤正信とほうねん座「心を紡ぐ 東北の民謡」(音楽センターCCD900)
CCD900_TohokunominyouS.jpg

収録曲
1.詰(つめ)木石(きいし)節(北海道民謡)
海の仕事唄(2-5)
2.銭(ぜに)吹き唄(宮城県民謡)
3.さいたら節(宮城県民謡)
4.遠島(としま)甚句(旧節)(宮城県民謡)
5.唄い上げ(宮城県民謡)
6.えんころ節(宮城県民謡)
7.畦(くろ)打ち唄(宮城県民謡)
8.北上川櫓(ろ)こぎ唄(宮城県民謡)
9.石切唄(山形県民謡)
10.最上川船唄(山形県民謡)
11. 相馬(そうま)土搗(どつ)き唄(福島県民謡)
12. 宮城長持ち唄(宮城県民謡)
13. さんさ時雨(しぐれ)(宮城県民謡)
14. 仙台松坂(宮城県民謡)
15. 南部牛追唄(岩手県民謡)
16. 夏の山唄(宮城県民謡)
スペシャルトラック
17.キビタキの森(宮田耕八朗 作曲および演奏)

このCDを収録した場所とは、宮城県七ヶ浜町にある七ヶ浜国際村ホールです。2011年3月11日におきた東日本大震災では七ヶ浜町も甚大な被害を受けました。このホールは高台にあったため、津波の被害から逃れられたそうです。そして800人もの方々の避難所にもなったということでした。

レコーディングが行われた2012年6月、ホールのある建物から津波にさらわれ土台だけになってしまった家々が見下ろせ、そこにはたくさんのヒナゲシが咲いていたそうです。

このCDの企画は、一本の電話からはじまりました。被災した方(特にお年寄り)に聴かせられるような民謡のCDはないのかというお問い合わせでした。被災当時、アーティスト・演奏家の方々によるボランティア演奏は数多く行われていましたが、民謡のような伝統音楽はあまり多くなかったということでした。そして弊社代表自ら「とにかく被災したお年寄りの方にプレゼントできるものをつくりたい!」と制作にとりかかりました。

宮城県で民謡を中心とした芸能集団として長年活動されている佐藤正信さんとほうねん座の皆さんとCDをつくることになりました。そしてレコーディングの場所をさがしていった結果、七ヶ浜国際村ホールに辿り着いたということです。

このCDのサウンドはいたってシンプル(唄いと囃子を中心とした演奏が淡々と続いていきます)で、お祭りのような賑やかさはありません。ですが、そのスタイルこそが東北の伝統音楽の中にある人々の内に秘めた強さ・美しさを表現していると思います。佐藤正信さんとほうねん座の演奏は、そんな「東北魂」が時に厳しく美しい風景の中どこまでも響き続けるようで、静かに心震わせる一枚になりました。

担当Mは今まで日本の民謡をあまり聴くことが無かったですが、完成したこのCDを聴いてアイルランドのケルト音楽に非常に近く、それらと同じもしくはそれ以上の感動を秘めていると感じました。
ケルト音楽には、男性もしくは女性が一人(無伴奏)で5〜10分以上も淡々と歌い続ける曲がいくつもあります。佐藤正信さんの歌う「東北の仕事唄」も、ほぼ無伴奏のようなかたちで淡々と長い時間唄い語り、その精神を紡いでいきます。これは長い間鍛えられ熟成させてきた類い稀な技術と強い精神性がなければ、到底表現できないものだと思います。そんな「うたごえ」に触れられるというだけでもこのCDを聴く価値は非常に高いと思います。

また、スペシャルトラックとして尺八の大家・宮田耕八朗さんの作曲・演奏の作品「キビタキの森」も収録しています。こちらは那須山麓の森をテーマに尺八と箏が織りなす非常に美しい曲です。

いにしえの昔から東北地方の方々が、海や山そして里で仕事をしながら、風景を人生をふるさとを紡いできたネイティブ(根源的)な労働歌の中に自然の厳しさや美しさを感じ、その歌詞ひとつひとつにふるさとの情景をイメージしながら聴きました。このような素晴らしいCDを出せたことは、本当に嬉しい限りです。そして、このCDをより多くの方にそして被災した方々に贈ることができたらと考えています。ぜひ一度聴いていただきますようお願いします。

--

CD「心を紡ぐ 東北の民謡」佐藤正和とほうねん座(音楽センターCCD900)
ご購入はこちらから

Amazon.co.jpでもご購入できます。
こちら

このCDを聴いていただいた方々から、多くの反響をいただいています。
「東北地方出身の亡くなった父が、このCDに入っている曲をよく歌っていました。このCDで父の偉大さをあらためて知りました...」
聴かれた方、ぜひご感想をお待ちしています。
こちらまで

nice!(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。