野田淳子「私の金子みすゞ」 [アーティスト]

担当Mです。(なかなか更新できずに申し訳ありません)
被災された方々には引き続き心よりお見舞い申し上げます。

震災後、テレビのCM(公共広告機構のもの)放送が多くなったことがきっかけで、いま再び静かなブームとなりはじめている「金子みすゞ」の詩作品。特にCMでとりあげられた「こだまでしょうか」は、詩の美しさだけでなく、この時代に求められている「他への思いやりの心」が見事に表現されていたことが多くの人々の心を掴んだのではないかと思います。

音楽センターから出版されているCDにも「金子みすゞ」さんの詩を題材にした作品がありますので、今日はそちらを紹介させていただきたいと思います。

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野田淳子「私の金子みすゞ」
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京都を中心に活動するシンガーソングライター、野田淳子さんの2005年の作品です。
野田淳子さんは、「女性」として「母親」としてのやさしいまなざしで作詞作曲された作品が共感を呼んでいるシンガーソングライターです。本作品は、そんな野田さんが「金子みすゞ」の詩と巡り会い、共感し、自然に彼女の曲となった18篇を、「トーク&コンサートライブ」というかたちで収録しています。

(以下が収録曲です。)
大漁(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
空と海(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
鯨法会(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
朝蜘蛛(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
花火(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
夢と現(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
星とたんぽぽ(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
淡雪(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
日の光(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
みそはぎ(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
薔薇の根(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
みんなを好きに(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
積もった雪(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
きりぎりすの山登り(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
闇夜の星(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
雪(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
蜂と神さま(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
このみち(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)
私と小鳥と鈴と(作詩 金子みすゞ/作曲 野田淳子)

野田さんの作曲したメロディーは詩にきちんと沿ったもので、まるで歌にするために書かれたのではないかと思うほど、本当に自然に聴こえます。それはギター一本(本作品ではギター他奏者の佐久間順平氏との共演)でシンプルにつくられ、歌になったからなのでしょうか?−それとも金子みすゞさんと野田淳子さんが共通して持つ何かがそうさせているのか?−とにかく「詩」がメロディとともに自然に入ってくるアルバムです。

このアルバムにはライブコンサートのトークも入っていて、「金子みすゞ」がどのような人物だったのか、野田さんの曲についての思いも一緒にお話されていますので、こちらも興味深く聴いていただけるものではないかと思います。さらに、歌詞カード(紙ジャケットとのセット装丁)が詩集のようにもなっていて、野田さん手書きのコード付きメロディー譜も掲載もしていますので、こちらもお薦めです。


[野田淳子 プロフィール]
長崎県出身。フォークシンガー、ジョーンバエズに魅せられ弾き語りをはじめる。アマチュア時代に上條恒彦氏に認められデビュー。CDアルバムは8枚をリリース、演奏活動では国内のみならず海外でもステージに立つ。「あらゆるものの命」をテーマに透明感ある声で歌い続け、幅広い層の支持を受けている。'07年には上條恒彦氏とのジョイントコンサートを行った。

音楽センターでは、野田淳子さんのCDを今回紹介した作品も含め7タイトルを出版していますので、またこのブログでもとり上げたいと思います。

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あなたも野田淳子さんの「私の金子みすゞ」を聴いてみませんか?
詳しくはこちら(音楽センターHPより購入できます)

野田淳子オフィシャルホームページ
こちら


Amazon.co.jpからも注文できます。

CD・野田淳子「私の金子みすゞ」

CD・野田淳子「私の金子みすゞ」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 音楽センター
  • メディア: CD



追記:
今回の記事を書く中で、「金子みすゞ」さんについて調べていくと、彼女は20歳の頃からわずか5年間の間に500篇もの詩を書いたということでした。そして彼女が20歳の年というのは関東大震災の起きた年でもあったのでした(さらに彼女の命日というのは3月10日ということでした)。そんな背景もある時代に、誰に発表されることもなく(多くの作品は没50年以降になって一般に紹介された)彼女の三冊の手帳に記された詩が、今多くの人々の心を癒しているというのは、何とも言いがたいものを感じます。ぜひ野田淳子さんの歌をとおして、「金子みすゞ」さんの詩を感じ、癒されていただければと思います。

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